三井住友カードさんのステキなCMを見て感じたことを書きます。
まずはこちらをご覧ください。
旅人(青木崇高さん)に言われ、ポケットの現金を出してからジャンプするとちょっと遠くに飛べた青年(小栗旬さん)の物語
旅人「心の軽さかな。気にすることがなくなったから、思いっきり飛べた」
青年「屁理屈だよ」
旅人「そうかもね。だけど...身軽になった感じはしなかった?」
「奇妙なものを持ち歩いてるものだ」
いやはやかっこいい。続いてこちらを。
友人の財布から取り出された1枚の紙幣、それをかっさらう青年
友人「おい」
青年「これは、君のお金だよね?」
友人「当たり前だろ」
青年「証拠は?証明できる?」
友人「さっきまで僕の財布に入ってたじゃないか」
青年「でも、どこにも名前書いてないし、今は僕の手元にある」
青年「あ、これ、誰のお金に見えます?」
隣の客「君(青年)のだろう」
青年「...ね。」
「現金は確実だとみんな言うけれど、 僕たちは何かとても不思議なものに、 捉われているのかもしれない」
深イイ〜。リアクションが古いか。
このCMをみて感じたこと、2つ。
いっこめ
「形がないものは不安で、形があるものは安心。でもそこに根拠はない」というのはどの分野でも似たようなものなのだなと。
CM内で描かれているとおり、現金は手元に持ち過ぎれば動きにくくなる上に、持っていれば確実で安心というわけでもありません。
お金の機能は
①価値保存
②交換
③価値の尺度
の3点に尽きるので、同様の役割を担ってくれる電子決済やカード決済で何の問題もありません。
キャッシュレス決済を使えば便利さそのままにとても身軽になれます。カードなら落としたり無くしても自分のものだと主張するのはとても簡単です。理論上良いことづくめですね。
デメリットといえば「暗くて足元が見えないわ」と困る芸妓さんのヘルプができないことぐらいでしょうか。いささかネタが安易で教科書過ぎるところがあります。実際教科書乗ってますし。これは上手いこと言った。話を戻します。
上述したとおり、キャッシュレスのメリットはいっぱいあって現金より便利そう。それでも皆こう思うのです。
「クレジットや電子決済は危険で現金は安全だから、現金にしておこう」と。
電子契約に置き換えてもほぼ同じ話が言えるのかなと。
電子契約にすれば製本も捺印も相手への送付も紙の管理も要りません。身軽になれますね。
(なぜ要らないのかは語り尽くされてるので今回は言及しません)
押してあるハンコが本当に契約相手のものかどうかを気にする必要もなくなります。ハンコの紛失リスクも下がってより安心。
それでも皆こう思うのです。
「紙の契約書とハンコがないと危ないんじゃない??紙の契約者作ろうよ」と。
電子契約礼賛派の私ですが、最初のうちは理屈で大丈夫だと分かってても漠然とした不安はありました。なんなら今でも「本当に本当に何もないかな?」的な不安がないわけでもなく。限りなくゼロに近い小さなものではありますが。
ある程度電子契約についてリサーチした自分ですらそう思うので、もはや慣習にまでなっている「形が有るもの」を形がないものに代替していくというのは難しいことなのだろうなと。
にこめ
既存の制度や慣習を変えて新しくするに当たってる、既存のものをdisり倒すより新しいものの素晴らしさをアピールしていくことにシフトできないかなと。
「現金主義!ITリテラシーのなさ!」
「ハンコ文化!時代遅れ!」
「紙の契約書好き!老害!」
より
「安全だと思ってたものは安全じゃないかもね」
「実はなくてもいいかもね。不思議な感じだね」
「身軽になって夢に近づいたね」
の方が明らかにスマートでかっこいいじゃないですか。
ダサイダサイと煽って叩いて叩いて相手を下げて自分の好きなものを優位に見せるみたいな行為、下品じゃないですか。そういうのは炎上マーケティングやオンラインサロンへの誘導に躍起になる炎上芸人さんたちに任せておけばいいと思うのです。
こんな感じで書いておけば、きっと弁護士DCさんあたりがうまくカッコいいCM作ってくれるのではと期待してます。
しかしオチが丸投げって。