法務の哀しいあるある問題シリーズ「事業部からの相談が遅くなりがち、なんなら会社のリリースで新しいビジネスの存在を知る」についてのお話。
この問題に頭を悩ませている法務担当者は多く、悩みについてのアンケートを取れば必ずランキング3位に入ると言われています。言っているのは私です。
法務と全く関係ない本をヒントに解決策を言語化できたので書きます。トレンドになっている「直感と論理をつなぐ思考法」の中からご紹介。
相談が集まる人とは
ツイートでも紹介しましたが
特に気に入った一文をご紹介!
— Nakagawa (@syobon_nu22) 2019年5月6日
自分がアウトプットベースになるため、周囲の人のアウトプットを底上げするためのおてがるライフハック
「良いアイデアを思いついたら、まずはほめてくれる人、新しいもの好きな人、ノリのいい人に話せ」 pic.twitter.com/gDeA2L7SlX
最近のビジネスで流行りの「小さく始めて大きく育てる」方針の大きなメリットは、自分の考えに対する自信や手応えを積み重ねていけることにあります。また、皆さんも感じていることでしょうが、自信を持ててるかどうかというのはパフォーマンスに直結します。
シンプルに考えると、人間は好きな人に話をしますし嫌いな人には話をしません。ポジティブな意見は自信を与えてくれ、ネガティブな意見は自信を奪うもので。自分に自信を与えてくれる人は好きですよね。
相談されたときにポジティブであることは相談の数に大きく影響するのです。
なぜ法務に相談が来ないのか
新しいビジネスを始めるときになぜ法務に相談が来ないのでしょうか。
現場担当が「法務への相談が必要」という意識が低いからでしょうか。それだけなら内部フローや現場への周知で事足りるはずです。制度化やフローを整理しているのにも関わらず現場の人が法務チェックを潜り抜けようとするから頭を悩ませるのですよね。
ぶっちゃけ、すごいぶっちゃけで話して申し訳ないのですが。
あなた現場の人から嫌わてませんか?
新しい案件の相談に行くと絶対ネガティブなコメント返してくる嫌なヤツだと思われてませんか?
法的な検討や抜け漏れのチェックが本業なのは分かりますが、第一声に「法的な観点から~」とか言ってませんか。そうじゃないですよね。
まずは「へぇ!これ新しいスキームですよね!面白いですね!」からではないでしょうか。
早めに相談してほしいと言うのであれば、早めに相談したくなる人や組織にあなたがなるべきです。コミュニケーションは相互の協力で成り立つものであり、意思疎通できないのは一方だけが原因ではないのでは、と思います。いかがでしょうか。
良いところがまるで見当たらない場合は
「令和っぽさ出てますねぇ!イケてますねぇ!」
とか、ノリで押し切るだけでもOKです。何回も繰り返してると大して思ってもないことが口から出てくるようになりますから。
今までパーティーや合コンで対面した相手に「これは一体何を誉めればいいのだろう」みたいな危機に陥ったことがあるはずです。過去の経験を活かしましょう。
よくあるコメントへ先に返信しておきます
こういう話をするとよく返ってくる反論につき、先回りしてコメントを記載します。
法的な観点からは...
→順番が違います。法的な話は後でよいです。まずは相談されたビジネスの内容に興味を持って、素直に(時には脚色しながら)感想を述べるところからです。
法務だから客観的な目線で物事を見ないと...
→一体あなたは誰なのでしょうか。いつのまに第三者になったのでしょうか。まさに当事者の一人ではないのでしょうか。あえて外部ではなく社内にリーガル担当を置いている理由は何なのでしょうか?
法務は厳しく現場と接しないと...嫌われ役だから...
→「法務」と「厳しい」の相互関係が意味不明です。仮に厳しい対応が求められるとしても、それは抜け漏れをしっかり見るべきというだけであって、意味もなくイヤミったらしくなれという意味ではありません。
また、嫌われずに言うべきことを言っている人は山ほどいます。クライアントとの関係値が大事なコンサルはここにめちゃくちゃ気を遣ってます。努力不足を他責にするのは良くないです。
以上です。定性的な解決策ですが、この問題に悩んでいる方は試してみてください。
続けていると法務マターだけでなくビジネスに関する相談も増えて、ビジネスへの理解・興味も深まり、また相談が増えて...という好循環になります。なりました。幸せな時間でしたね。そのせいでビジネスサイドに転職しましたけどね。
ポジティブなコメントするよう努力してても何も変わらないんだけどという方は...
相談が来てくれるかどうかは法務のプレゼンスも大きく関係するので、努力の結果改善しないなら諦めも大事かなと。早めに転職を考えても良いと思います。法務プレゼンスは社風次第なので簡単には変わらないですから。
頑張って変えたところで給与が爆上げするケースも少ないだろうし。