戦略とは取捨選択であり、スタッフを続けているとということは常に「捨」に回らされるリスクがつきまとうのだな。なんてことをGoToキャンペーンを見ていて、そして今の自分の立場を俯瞰してひしひしと感じていました。
そんな流れで久しぶりにキャリア論の話です。
ちきりんさんのブログによると、GoToキャンペーンは「安全だから開催」ではなく「日本の数少ない競争力を持つ産業である観光業を救うために、国民の安全と引き換えに決行」であるとのこと。
https://chikirin.hatenablog.com/entry/2020/07/17/Go_to_キャンペーン大混乱について
私も全く同意見です。
戦略とは何か。あるべきと現状の乖離を埋めるための大きな方針であり、最重要のタスクに「注力分野の取捨選択とリソースの再配分」があります。これをGoToキャンペーンにあてはめると
あるべき:日本の観光業は元気でないといけない
現状:コロナで観光業が壊滅的
戦略:廃業を減らせる程度に観光業を潤わせる
施策:GoToキャンペーン実施
施策導入によるデメリット:国民の安全
となります。国民の安全は観光業の潤いと天秤にかけられて「重要性が低い」と判断されたと。要するに取捨選択の結果捨てられたわけです。
国の問題がどうしてキャリア論に関係するのか疑問でしょうか。「国と国民」を「会社と社員」に入れ替えるだけで全く同じ構造になりますので心配無用です。
会社の業績がコロナの影響で不調で、不振事業を会社から切り離す必要があり、あなたはその事業で一筋20年としましょう。ある日告げられるわけです。
「コロナでにっちもさっちもいかなくなった。この事業はたたむことになり、本社にも受け入れの余裕はない。ついては退職してほしい」と。
戦略で「不振事業の整理」が採用されると「従業員の雇用」が犠牲になる事例です。全体の利益を追求するために重要でない個人は犠牲になるのです。GoToと一緒でしょ。
問題の根元は何か。
自分が「代替可能なパーツだから」の一点に尽きます。もっと極端に言ってしまうと、あなたは(そして私は)エクセル上の数字"1"でしかなく、コロナで後遺症が残ったり死んだところで違うセルの"1"がスライドしてるくるだけ。社長以外のどのポジションにもある程度は当てはまる話ですが、特にスタッフにおいては顕著な傾向です。
スタッフとしてどれだけ優秀であっても
・母数があまりにも多く
・一人で創出できる価値には限界があり
・末端が会社に与えられる影響は知れている
ので。
全体のために捨てられるリスクを減らすためにどうすればよいか。
対策としては「捨てられないよう代替可能性を減らす/いざ捨てられた場合でも生き残れるよう柔軟性を高める」以外にありません。つまり、スタッフから抜ける道を探して、その道に向かって進むのが何よりのキャリアにおけるリスクヘッジだと。このブログのメインメッセージはここです。
目立たず騒がす平穏に生きていきたいラスボスといえば吉良吉影ですが、末端として得られる平穏は束の間のもの。環境が変わるたびに捨てられるリスクは負いたくないです。少なくとも私は。
ジョブチェンして2年が経ち、慣れてきてようやく楽しくお仕事ができるようになってきたのですが、上記のとおりスタッフでい続けることのリスクを感じてしまい目線が外に向いてきました。
(ジョブホッパーとでもなんとでも呼ぶがいいさ)
わりと名が知れているコンサルファームに転職できて、しばらくはキャリアに悩まなくてよいなと安心していたのも束の間に。転職の時に埋まったあるべきキャリアと現状のキャリアにまた乖離が出てしまいました。キャリア戦略の再構築を迫られています。
今すぐに転職とかは考えていないのですが、とりあえず仲良しエージェントさんにコンタクトを取ってお話ししてきます。
「待遇重要だけど何よりポジション優先で」が軸になるのかなあと思ったり。悩みは尽きないですね...