リーガル・レバレッジ

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コンサルに転身した元企業法務パーソンが、自分の市場価値を上げようと模索する日々を綴ります。

法務の人がリモートワークで信頼を失わないためにやるべきこと3選

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本記事は、裏 法務系 Advent Calendar 2021のエントリー5日目です。

株式会社マイネットの法務で働いている、中川です。京都から東京へのフルリモートで勤務している中で気付いた「リモートワークで失敗しない働き方」について書きます。

「リモートになって評価が下がった」「会社はOKなのに自分だけリモート禁止措置が出た」なんて事態を避けたい方のお役に立ちたい狙いがあります。よろしくお願いします。
 
簡単に自己紹介をしておくと、マイネットは東京の会社ですが9割方は京都の自宅で働いています。
残りの1割で、必要に応じて東京・青山の本社や滋賀(レイクスターズ)、遠くは沖縄(FC琉球)に滞在したりします。
我ながら不思議な働き方をしています。
 
コロナ禍真っただ中の2021年4月にマイネットに転職して7か月くらい。
自分の現状を一言で表すと「良い感じ」にできています。周囲からステキな評価やお声を受けることもしばしばあったり、引き続き募集している法務求人の勤務地に「リモート:相談可」の文字が消えてなくて、ホッとしたり。
難しいと言われるコロナ禍転職で自分の想定以上に好調な滑り出しができています。

良いスタートを支えてくれた自分の取り組みの中で、これは本当に大事だったなと感じる3ポイント

①適切な情報共有
②コミュニケーションの取り方
③パフォーマンスの維持方法

をご紹介します。

 

何より重要なのは①(割合で70%くらい)なので、時間がなければ①だけでも読んでもらえるといいと思います。それでは本題いきましょう。

 

①適切に情報を共有する

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番号①なので、一番大事な話をします。私がやったことはシンプルで

・自分が何をする予定で
・何を考えて何に悩んでいて
・何をしたか

を、ひたすらチャットに残して(グループ全体板に投下して)います。狙いは「上司や同僚を不安にさせない」です。共有=ナレッジやセミナーのレポートだけではありません。

 

人は「分からないこと」に大きな不安を感じ、不安を感じることが大嫌いな生き物です

「クライアントさんを不安にした時点で負け」は、コンサルタント時代に得た大きな収穫です。

不安を与える人のアウトプットは全て疑いの目で見られることになり、本来スルーされていたはずの軽微なアラや漏れにまで指摘が入り、手間が増えクオリティが落ちる悪いとても悪いサイクルが始まります。逆も然りですね。

「この人は大丈夫」と思われるのか「こいつは要注意だな」と思われるのかで、世界が変わります。かの有名なハーヴィさんの名言にもあります。「今じゃ何時に来ようが誰も俺の能力を疑わない。第一印象が全てだ」と。

 

リモートワークで「最後のアウトプットさえ良ければなんでもいいでしょ」なスタンスは、気付けば信頼を失うリスクを抱えるとても危険な行為です。改善すべきです。

(法務は専門性が高く複雑な仕事だから説明が...みたいな言い訳も不要です)

 

「適切な」情報共有の適切具合が難しいかと思います。細部に入りすぎるのはNGで、見てる人も自分もめんどくさくて続かないので。ご参考に、ちょっとだけ私がやっている具体例をお話しします。

■全体像・現状・相談を書くパターン(例:契約書レビュー)
STEP1 〇〇部のXXさんと認識合わせる(今ここです)
→聞いておくことは■と▲のつもりですが、他ありますでしょうか。
STEP2 レビュー作業
→A案件で使った契約書ベースで行く想定ですが違和感ありますか?
STEP3 XXさんに戻し、取引先とコミュニケーション
→期日★日までなので余裕ありです。

■一日にやったことを報告するパターン
MTG
・法務定例
 悩み事系が流れて相変わらず助かりました。
【法務業務】
・XXの件
 良い感じに捌きました。良い感じでした
・XX契約
 必要データ収集済みです。来週どこかでMTGしてきます
【PJ・その他】
・経費精算
 手間取りました...
・勤怠月次処理
 完了しております。承認よろしくお願いします(ToXXさん)。

※基本的に毎日終業時にやってます

今ここです。困ってることは...ぐらい。1行で十分。気になったところは聞いてもらえばOKです。公開の場で書けることのため大変簡素化していますが、イメージは上記。プロジェクト系だと要素分解した結果やタスクまで書いたりもしています。

お仕事の全体は●●で、今ここで、次はXXをします。を簡潔にまとめられる人は神です。ちょっとしたイベントでも手短に共有してくれる人は聖人です。自分が人にお仕事を振り分ける立場になって痛感しました。

 

②対面コミュニケーションの場を大事にする

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リモートで姿を見せられない以上、接触する機会の質と回数には気を配っています。自分が特に気を付けているのは

・出社時のスタンス
出社時にワークしないよう準備する(作業は家でできても対面は家でできない)、話しかけられやすい場に出る、一人でご飯食べない

・WEB会議
発言はとっても大事、リアクションもすること、カメラをオフにしない、サマリだけでも良いのでメモを書く

・会話時のふるまい方
明るく前向きに(大前提)、否定するときは言い方に気を付けて、

あたりです。

 

出社する機会が限られるのであれば、機会を活用できるよう準備しておくとリターンがある上に周りからの印象も変わります

法務に限らず管理系部門はこもって作業が多く、何をしているか分からないと思われがちです。

①で書いた「情報共有」がめんどくさいなら、せめて見える場だけでもポジティブな印象を与えらるように気を配ってみるのはいかがでしょうか。

 

③パフォーマンスを維持する

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正直に言ってしまうと、在宅中のパフォーマンスなんてオフィス勤務の6割くらいです。受験勉強が家で捗ったことなんてなく、集中できる場で働くことの重要性を再認識。リモートが始まって「オフィスに行きたいなあ」と思ったことが増えたのは皮肉だなと。

とはいえ、言い訳ばかりしているわけにもいきませんし、仕事は集中力だけで進めるものでもありません。失った集中力を補うために自分がやっている施策一覧のご紹介です。

・機材を整える
個人的に圧倒的3種の神器は、34インチウルトラワイドモニター、キーボード、Wifi6規格対応のルーターでした。ノートPCは中身しか使わず、せいぜい一時ダウンロードファイルをデスクトップに置くくらい(一日の終了時に全部消す)くらいの位置づけです。

神器の中でも特にウルトラワイドモニターが強いので、ぜひ。法務の人は34インチ以上が必須。29インチはワードが見にくいので結構つらいところでした。

・メンタルを整える
最重要ですが、スマホは仕事部屋に置いてはいけません。別室の棚の奥あたりがおすすめです。また、一人でいると陰鬱な気分になるのでリフレッシュも効果的でした。行ったことのないお店でランチ・お茶してみる、久ぶりの大学同期とオンラインゲームなどなど。「日常に一つ新鮮な要素を加えてみる」があれば何でもOKです。

・フィジカルを整える
通勤がなくなると「今日本当に動いてないな」と思う日が増えます。テニスやサッカーなど趣味の運動がベストですがコロナで難しいため、散歩や筋トレでも大丈夫です。メンタル改善に効きました。

 

最後に

周りを見ていて思うのは、リモートワークが減らされるorなくなってしまう原因のほとんどは管理側の不安によるもので、不安の大元は「何をしているか分からない」「きちんと働いているのか分からない」のどちらかに集約されています。

周囲からの評価=実際のパフォーマンス×見せ方であり、リモートワークは「見せ方」の変数をどういじるかがとっても大事だと感じています。見せ方をネガティブに大きく変動させるのが「不安」のため、気は配れるだけ配る価値はあるよな、がここ半年で得た実感です。

 

目に見えた結果を出しにくいコーポレート部門で、その中でも特に何をしているか分かりにくい法務パーソンです。実際のパフォーマンスが「100」でも見せ方係数が「0.1」であればトータル10点しかもらえず「もう出社してよ」との流れになるのも不思議ではありません。
「上のヤツは分かってないよなあ、ホント馬鹿だわ」と愚痴をこぼす前に、自分でやるべきことがあるかもですね。やるべきことをやりきっても「リモートだから」の一事で評価を下げてくるような会社なら、転職する方が早いだろうなとは思いますが。

 

以上です。
みなさまの快適なリモートワークの一助になれば幸いです。

 

次は、法務からジョブチェンした繋がりのぼっち法務さんです。
よろしくお願いします!